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会社名
月島食品工業株式会社

事業内容
食用加工油脂、油脂利用食品、 乳等を主要原料とする食品、調理用油脂の製造・販売等

導入部署
品質保証部 製品管理室

導入装置
MPS WorkStation 前処理自動化システム

課題と効果

課題

  1. 2021年に食用油中3-MCPDの規制がEUではじまることをきっかけにモニタリング体制の強化が求められていた。
  2. 煩雑な前処理であることから、作業者による差が出てしまう場合があった。
  3. 前処理に時間がとられて、他の業務を並行して行うことが困難な状況だった。

効果

  1. 24検体/日で前処理を行い、継続的にモニタリングを行う体制づくりができた。
  2. 人的なエラーがほとんど起きない状況になったことで精度と確度が安定した。
  3. 終夜運転での前処理を行うことで効率的な運用を行うことができている。
  4. 溶媒暴露が軽減し、作業者の労働衛生環境が向上した。

導入背景

前処理自動化システムを導入された品質保証部のMさんとAさんにお話しを伺いました。

導入された部署では、どのような業務を行っていますか?

[Aさん]
品質保証部として、問い合わせ品の分析や菌体の分析、異物の検査なども行っています。様々な食品安全に関わる分析の中で、3-MCPDの分析を行っています。

今回自動化した3-MCPD分析は、どのようなきっかけで分析を始められたのでしょうか。

[Mさん]
2020年ごろから、翌年のEU規制開始の影響で測定を始めなければいけないということで手法の確立を行っていきました。
まずは酵素法と呼ばれるAOCS Method Cd 29d-19法を確立していきましたが、EUの基準値は29c-13法(以下、c法)での測定ではないかということを考慮してc法での検討も同時に進めてきました。

手動で行っていた前処理には、どのような課題がありましたか?

[Mさん]
前処理が煩雑であることやその夾雑成分の影響から、思うような結果にならない場合がありました。
外部機関での分析結果との一致を確認しながら、最大3名で検討を進めていました。
c法では1検体で2種類の試料を準備して比較する必要があることで、どちらもうまくいく状況を作るのが難しく、1日すべて前処理で時間がとられてしまうという状況でした。

ーー手動で実施するには煩雑で、なおかつ時間もとられるという状況だったのですね。

製品概要

今回の導入システム
MPS WorkStation 前処理自動化システム 3-MCPDメソッドパッケージ

導入のポイント

導入の決め手を教えてください。

[Mさん]
3-MCPDの前処理自動化に関してメソッドも含めた導入ができるということをお聞きし、購入するかどうかの検討を開始しました。 

導入の決め手は、サンプルテストで繰り返し再現性が良いことです。さらに外部機関での分析結果との差が大きくなかったことから分析値としても問題ないことを確認できたため、精度と確度の面から導入を決定しました。
また、ラボ訪問では実際に動いている装置を見学できたことから、導入するにあたって必要な設備の想像が具体的にできたこともよかったですね。

導入効果

導入して実稼働後3か月ほどが経過しましたが、導入後の変化について教えてください。

[Aさん]
なにより省人化ができるということですね。スタートすると自動で前処理を行うため手がかからないです。
30分から1時間で試料や溶媒の準備をして、前処理を始めることができています。
フルで稼働する場合には、終夜で前処理を行って、朝出来上がっている試料を分析するという流れで運用しています。
平日4日間は8検体の3連続分析、24検体48バイアル分の前処理を毎日実施しています。
(今回自動化したc法の前処理では、1検体につき2種類の処理を行います)

使用感やサポートはいかがでしょうか。

[Aさん]
問題なく使用できています。日々のメンテナンスは自身で行えている状況です。
もし何らかのエラーが起こった場合にはコールセンターに連絡し、サポートを受けています。

自動化の効果として、当初の課題であったモニタリング体制の強化に関してはいかがでしょうか?

[Aさん]
稼働してから行っているモニタリングは300検体で一段落という予定です。各検体3連続分析で計900回分の前処理と分析を実施し、モニタリングは3か月で終了する予定です。
手動での前処理のままであれば、多検体での検討はできず、部分的に選び取って検査を行う予定だったため、前処理を自動化したことで実現できました。
今後も異なる種類の油脂を用いてモニタリングを続けていく予定です。

ほかに実感された自動化の効果はありますか。

[Aさん]
今回の前処理は特に溶媒を多く用いるので、人が離れて稼働できることで溶媒暴露が大きく減らせていることもよい点だと感じています。
手動で行う際はドラフトチャンバーを使用できる時間も限られていた状況でした。また、手動の場合に人によって結果が異なるという状況は、前処理を自動化してからほとんど起きていないため再現性に関してもよい状況です。

今後前処理自動化装置を検討される方に、どのような点をおすすめしますか?

[Mさん]
特にステップが多い前処理を実施されている場合には、一台で機能が集まっている点がいいですね。
手動で行っている場合には各フロアや建屋に前処理器具が分かれている場合があったので、その移動の必要もなくなります。

[Aさん]
メソッドの通りに同じ操作を行ってくれることで、人的なエラーがかなり減らせることです。
また、終夜運転を行うことができるので、日中の作業者の工数を削減できているところです。

今後の展望

今回の装置について、さらに期待されていることはありますか?

[Mさん]
酵素法やビタミンなど、ほかの前処理への適用もできるといいですね。
酵素法については日本のスタンダードになるような手法なので自動化できればよいなと思っています。冷却機構が必要な場合もありますが装置のレールがあいていれば機能追加もできるということなので、将来的に検討していきたいですね。

ーー今後も様々な情報提供を続けていきます。詳細にお聞かせいただき誠にありがとうございました。

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