キャピラリーカラムは、パックドカラムに比べ固定相(液相)の量が少ないため、一般的にブリードも低くなりますが、その反面カラム劣化に関わる、高温・酸素・水分、にさらされ易く、ブリードの原因ともなります。キャピラリーカラムの高分離で高感度な分析を行うためにも、適時コンディショニングをされることをお勧めします。又、極性カラムや膜の厚いカラム((液相 2um以上) は特に慎重にコンディショニングを行ってください。

1.カラムを注入口に接続します。
この時、注入口が熱くなっているとカラムにダメージを与えるので必ず温度は下げておきます。
2.カラム出口側は解放のまま、各設定を行います。
キャリアガスはオーブン内に充満しますので、水素キャリアを使用しないでください。
又、MSに接続したままコンディショニングする際は、MSインターフェース温度も昇温することが望ましいです。
3.キャリアガスの圧力設定をします。
設定圧力は、下表を参照ください。
内径0.10mm | 内径0.20mm | 内径0.25mm | 内径0.32mm | 内径0.53mm | |
---|---|---|---|---|---|
長さ10m | 24.7(170) | 5.9(40.7) | 3.74(25.8) | 2.28(15.7) | 0.93(6.41) |
長さ15m | 38.7(267) | 8.9(61.4) | 5.63(38.8) | 3.42(23.6) | 1.40(9.65) |
長さ25m | 67.6(466) | 15.1(104) | 9.49(65.4) | 5.73(39.5) | 2.33(16.1) |
長さ30m | 82.5(596) | 18.3(126) | 11.5(79) | 6.90(47.6) | 2.80(19.3) |
長さ50m | 31.8(219) | 19.6(135) | 11.7(80.7) | 4.68(32.3) | |
長さ60m | 38.7(267) | 23.8(164) | 14.2(97.9) | 5.63(38.8) |
4.室温のまま30分以上キャリアガスを流します。
カラム中に残っている大気(O2)を加熱前に十分に置換することが重要です。
5.オーブン温度を室温からカラム最高使用温度までプログラムします。
昇温速度は10~15℃/min、最終時間は30分程度とします。なお、極性・厚膜カラムは昇温速度5℃/minで、 80~120℃付近で30分以上保って(水分の追い出し)から、さらに昇温することをお勧めします。又、新品のカラムは昇温毎にブリードが小さくなっていく傾向があるので昇温を繰り返し行うことも有効です。
