基本情報
加熱脱着 (Thermal Desorption) とは、吸着剤が充填された捕集管に、固体・液体・気体の試料から揮発する有機化合物を捕集し、その捕集管を加熱して揮発性有機化合物を脱着させてGC-MSに導入する手法です。
ヘッドスペース法では感度が足りない場合に有用です。また、吸着剤の種類を変えることで幅広い沸点範囲の化合物を測定することができます。
そのため加熱脱着装置は、材料分析、食品・におい分析、環境分析など幅広い分野で使用されています。
GERSTEL TD3.5+ の特長
GERSTEL TD3.5+ は幅広い用途を持つ加熱脱着装置です。従来の加熱脱着だけでなく、直接熱抽出やプログラマブル温度気化注入口へのヘッドスペース注入、SPME注入にも使用できます。TD3.5+ はGC上部に設置し、バルブやトランスファーラインを持たずにコールドポイントがないコンパクトな設計が特長です。また、追加のモジュールと組み合わせて多彩なアプリケーションを提供しています。
Liner-in-Liner Design
加熱脱着部TD3.5+ 本体とクライオフォーカス部CIS4を直接接続することで、GCの上部に設置するコンパクト設計を実現しました。また、トランスファーラインやバルブを持たないためメモリの影響を低減でき、メンテナンス性も向上した、理想的な加熱脱着装置のデザインです。
多彩な試料導入
TD3.5+ はMPS robotic 多機能オートサンプラを使用して自動化できます。
MPS roboticは加熱脱着の自動化だけでなく、液体注入、ヘッドスペース注入、SPME注入の自動化にも対応しています。
また、TD3.5+ は捕集管による加熱脱着以外にもさまざまな試料導入法があります。
- 固体試料の直接導入
- 液体試料の直接導入
- Twisterを用いた試料導入
TD3.5+ は多彩な試料導入により、幅広い分野で使用することができます。
アプリケーション
技術情報
アプリケーションノート
- AN001 TD3.5+によるTwister分析
- AN002 TD3.5+によるMultiDesorption
- AN003 TD3.5+を用いたGC-MSによるフタル酸エステル類の分析
- AN004 DHS3.5+によるぶどうジュースの分析
- AN005 DHS3.5+を用いたぶどうジュース中の親水性香気成分の分析
- AN006 TD3.5+を用いたゴム板の異臭分析
- AN007 DHS3.5+を用いた発酵食品の香気分析
- AN008 SE-FEDHS3.5+を用いたチョコレートの香気分析