半導体の高集積化・精細化により、製造のためのクリーンルームにおける清浄度は製造歩留まりに直結するため要求される管理レベルは高まっています。一般的な粒子数だけでは無く、分子状汚染物質(AMC : Airborne Molecular Contaminants)の管理が重要です。
クリーンルーム中AMCを測定する方法は複数ありますが、1つの装置で全てのAMCを測定することはできません。発生リスクや影響を考慮しつつ、できる限り高感度で連続的にモニタリングできる手法が望まれます。
西川計測のクリーンルームイオンモニターは、AMCのうち、酸性物質・塩基性物質・ドーパントと、いくつかの金属をppbv~pptvオーダーで測定するためのシステムです。
クリーンルーム中空気に含まれるAMC由来のイオンをオンラインで捕集・濃縮するための「NS-171 ガス捕集ユニット」濃縮したイオンを分離・検出するための「イオンクロマトグラフ」から構成されます。
特徴
測定対象化合物
・陽イオン:Li、Na、NH4、K、Mg、Ca
・陰イオン+有機酸:F、酢酸、ギ酸、Cl、NO2、Br、NO3、PO4、SO4
測定対象に応じて
・1ch仕様(陽イオンもしくは陰イオンのどちらかを測定)
・2ch仕様(陽イオンと陰イオンの両方を測定)
の2モデルがあります。
ガス捕集 ~インピンジャ
ガス吸引ポンプと不活性な流路切替バルブにより、16ポイントの捕集ポイントからクリーンルーム中空気をオンライン捕集できます。
ガス捕集部に導入されたガスはインピンジャ内で純水でバブリングすることにより粒子・ミスト・ガス状の測定対象物質が純水に吸収され、イオンになります。
捕集したイオンを濃縮し、イオンクロマトグラフに導入します。
ガス捕集用のインピンジャーは、1chにつき2本搭載。捕集と洗浄を交互に実施することで測定サイクルを短縮します。
測定 ~イオンクロマトグラフ
濃縮したイオンをイオンクロマトグラフで測定することで、多成分を一斉に高感度で測定できます。測定対象物質や機能により複数の仕様があります。