GCで使用するガスに不純物が含まれている場合、カラムや検出器にダメージを与えたり、不純物自身が検出されて分析結果に悪影響を与えます。そのためには適切な純度のガスと適切なガス精製装置を選択することが重要です。
キャピラリGCのキャリアガスに含まれる不純物は、カラムや検出器にダメージを与えたり、不純物自身が検出されてノイズになったりします。
ガス由来のトラブルは原因究明までに時間がかかり、修理費用もかさみます。ガスはお客様のご準備できる最良のものを使用してください。又、集中配管等でガスラインが長い場合はガス配管、レギュレータ由来の汚染(配管・レギュレータそのものの汚れ、接続部からの混入)も考えられる為、特に気を遣う必要があります。装置付近でのガス精製器は必須です。
キャリアガスの純度が分析に与える影響は下記の通りです。
不純物質 | 影響 | |
---|---|---|
カラム | 酸素 | 液相が酸化分解しカラムの劣化が早まる。特に極性液相では注意。 (特に高温分析する場合) |
TCD | 酸素 | 酸化によりフィラメントの寿命が短くなる |
ECD | 酸素 | リニアリティーや感度が下がる |
MSD | 酸素 | リニアリティーや感度が下がる |
分析全般 | 酸素 | 昇温分析の場合ベースラインのドリフトが大きくなる |
炭化水素 | ベースラインが上がる | |
水分 | サンプルとの吸着 |
ガスの純度
計算上、純度99.999%のガスは10ppm、純度99.9999%のガスは1ppmの不純物を含みます。
トラップの選択
ガスの種類や、除去したい不純物に応じてさまざまなトラップが市販されています。
一般的に、検出器に対して最適なトラップを選定してください。
トラップ交換時の注意点
- スヌープでのリークチェックは汚染の原因になることがあります。
- 交換時は、ガスを流しながらすばやく取り付け、トラップ出口側を開放にした状態で15分程度パージして下さい。(水素はパージをしないで下さい)
- トラップには交換した年月日を記載することをお勧めします。交換時期は使用頻度、ガス純度にもよりますが通常は1年を目安に定期的に交換をして下さい。