前処理自動化による生産性の向上
化学分析では前処理工程が重要、かつ作業者の時間が多く必要です。
また、2024年改正労働安全衛生法により、企業は自律的に労働者の化学物質ばく露低減が必要になりましたが、前処理工程は作業者が有機溶剤に接触する時間が長くなりがちです。
この前処理工程を自動化することで、
- 作業者のスキルに依存せず、正確な前処理から高品質な測定結果を得ることができます
- 作業者は、メソッド開発や評価など、より重要なタスクに時間をあてられます
- 作業者が有機溶剤にばく露する時間を低減できます。
MPS WorkStationとは
MPS WorkStationは、GC/LCのオートサンプラとして多くの実績があるMPSをコアに、前処理モジュールから必要なものを組み合わせて前処理を自動化する3軸ロボットのシステムです。
モジュールを変更することで導入後の用途変更にも対応でき、ユーザーフレンドリーなソフトウェア「MAESTRO」は、メソッド入力で前処理全体に必要な時間を積算するスケジューラ機能により、予め効率化計算をすることが可能です。
モジュール
SPE2
- コンディショニング、試料添加、洗浄、乾燥、溶出の工程を自動化
- 25種の固相、サイズ1, 3, 6 mLの専用カートリッジを提供
- 40トレイ(1, 3 mL)もしくは28トレイ(6 mL)をセット可能(増設も可)
- オプションのSolvent Filling Station (SFS) を用いて1 Lの溶媒を4種類供給

Filtration
- 分析機器へのサンプル注入前に微粒子を取り除くプロセスを自動化
- 5種の材質、直径4, 17, 25, 30 mmの純正フィルターを提供
- アダプターとニードルを取り付ければ、市販フィルターを使用可能
- 40トレイ(4 mm)、24トレイ(~22.5 mm)、もしくは16トレイ(~35 mm)をセット可能(増設も可)

quickMIX
- 最大6バイアルを同時振とう
- 専用のボルテックスミキサーに匹敵する混合効率を実現
- 2, 4, 10, 20mLバイアルに対応

mVAP
- 最大6バイアルを同時蒸発濃縮
- 加熱攪拌/減圧溶媒留去
- 2, 4, 10, 20mLバイアルに対応

Centrifuge
- 最大6バイアルを同時振遠心分離
- 抽出層分離の効率
- 2, 4, 10mLバイアルに対応(20mL用は別オプション)

Decapper
- スクリューキャップの自動開閉
- セプタムに穴を開けずに溶媒や試料の採取・添加が可能
- 2, 4, 10, 20mLバイアルに対応

SID2
- 1次元2次元バーコードリーダー
- バイアルやチューブのバーコード読み取り可能
- 自動前処理中に読み込み可能

High Flow Fast Wash
- シリンジ洗浄モジュール
- ニードルの外観、内側を洗浄
- 2種の溶媒を使用可

自動化例
標準溶液希釈の自動化

誘導体化の自動化

液液抽出の自動化

ソリューションパッケージ
MPS WorkStation 3-MCPD自動前処理システム
食品油脂中の有害成分である3-MCPD脂肪酸エステル及びグリシドール脂肪酸エステルに特化した自動前処理システムです。
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技術情報
アプリケーション
アプリケーションノート
- GERSTEL MPS-AN001 食用油中3-MCPD脂肪酸エステル類の前処理自動化
- GERSTEL MPS-AN002 固体状パーム油中3-MCPD脂肪酸エステル類の前処理自動化
- GERSTEL MPS-AN003 こめ油ごま油中3-MCPD脂肪酸エステル類の前処理自動化
- GERSTEL MPS-AN004 粉ミルク中ビタミンA脂肪酸エステルのヘキサン抽出自動化
- GERSTEL MPS-AN005 ジャムの香気分析における溶媒抽出の自動化