基本情報
近年、食品中のクロロプロパノール類とその関連物質の低減対策が推進されています。
精製された食用油脂中には、クロロプロパノール類のひとつである3-クロロプロパン-1,2-ジオール (3-MCPD) と脂肪酸が結合した3-MCPD脂肪酸エステルとその関連物質であるグリシドール脂肪酸エステルが含まれることが明らかになっています。
これらの測定には様々な手法が提唱されていますが、いずれも前処理が複雑で、メソッドによっては100工程以上の手作業が必要となります。
GERSTEL 3-MCPD自動前処理システムは、AOCS Official Method Cd 29c-13に準拠した前処理を自動化できます。
特長・機能
前処理に関わる業務効率を大幅に改善
このシステムを導入すれば、測定者が行うのは、試料をバイアルに秤量し、試料バイアル、試薬、溶媒をシステムにセットするだけです。
GERSTEL MAESTROソフトウェアが、最短のスケジュールを自動的に構築し、検体の前処理を行います。
オンラインGC-MSシステムでは、前処理が完了した試料をGC-MSに注入し、測定することまで自動化します。
GERSTEL quickMIX
- 最大6サンプルの混合、抽出を自動化可能
- 専用のボルテックスミキサーに匹敵する混合効率を実現
- 2, 4, 10, 20mLのバイアルに対応
GERSTEL mVAP
- 最大6サンプルの蒸発濃縮が可能
- 真空度、加温温度、攪拌速度をユーザーが設定可能
- 過剰な誘導体化試薬がGC-MSに導入されることを抑制し、装置の汚染を低減
- より低い検出下限値の達成に貢献
製品ラインアップ
オンラインGC-MSシステム
GC-MSとの組み合わせで、前処理から測定まで一連のワークフローを自動化します。
- 対応装置
Agilent GC-MS
Agilent GC-MS/MS
オフライン自動前処理システム
オフラインシステムで前処理を行い、複数のGC-MSに処理済みの試料を供給することで、スループットを最大化することができます。
測定データの解析
専用レポートフォーマット
AOCS Official Method Cd 29c-13で3-MCPDとグリシドールの定量値を出すには、Assay AとAssay Bを測定して差分でグリシドール量を算出したり、当量を求めるための計算が必要です。
Agilent MassHunter用レポートデザインソフトウェア「Hunter Report Designer」は、MassHunterの解析結果を自由な形式・様式で出力・印刷できるレポートデザインソフトウェアです。
Hunter Report Designerで作成した、3-MCPD測定のための計算式を組み込んだ専用レポートを使うと、3-MCPD、グリシドールの定量値を自動で出力することができます。
技術情報
アプリケーション
アプリケーションノート
- AN001 食用油中3-MCPD脂肪酸エステル類の前処理自動化
- AN002 固体状パーム油中3-MCPD脂肪酸エステル類の前処理自動化
- AN003 こめ油ごま油中3-MCPD脂肪酸エステル類の前処理自動化