課題と効果
課題
- 分析メソッドの開発はラボで行う必要があるため、リモートワークで進めることができない
- 香気成分分析において、トップノートからベースノートまで幅広い成分を網羅的に分析することは難しい
効果
- AFAS Remote Service機能 (ARS) を用いることで、在宅環境から分析装置の制御が可能となり、リモートワークでの分析メソッド開発が可能になった
- GERSTEL DHS3.5+システムのMulti-Volatile-Method(DHS3.5+ – MVM法)を用いることで、トップノートからベースノートまで網羅的な分析が可能になった
はじめに
分析を行う上でメソッド開発は欠かせない業務ですが、分析データを見て次の分析条件を決めるため、リモートワークで進めることが難しい業務の1つです。
本事例では、当社分析ラボにて、GERSTEL DHS3.5+システムを用いた乳酸菌飲料中の香気成分を測定するためのメソッド開発を、リモートワークで行った事例をご紹介します。
分析法概要
DHS3.5+ – MVM法は、1つの試料に対して複数のメソッドを用いる手法です。異なるメソッドによる連続的なサンプリングを行った後、全てのトラップ管を加熱脱着します。メソッドの組み合わせを適切に選択することで、1回の分析においてトップ~ベースノートを網羅的に分析することが可能です。
また、試料を詰めたバイアルをラックにセットする作業以外は全てオートサンプラにより自動化されるため、複数の条件検討を1度のシーケンスでまとめて実施することも可能です。
分析メソッド開発過程
従来のメソッド開発は、サンプル調製、分析、解析を繰り返し行うことで最適なメソッド条件を探索するため、分析ラボでしか行うことができませんでした。
ARS導入後は、分析ラボでサンプル調製した後、自宅から分析装置PCへリモート接続することで、在宅環境で分析、解析業務を行うことができました。
各メソッドの最適化した後、Method BXXとMethod FEDHSを組み合わせた2-step MVMにより、乳酸菌飲料中の香気成分を測定しました。その結果、acetaldehydeや低級脂肪酸類などのトップノートから、vanillinなどのベースノートまでを網羅的に検出することが可能となりました。
※メソッド開発過程については技術資料を参照ください
まとめ
ARSを用いることにより、DHS3.5+ダイナミックヘッドスペースを用いたメソッド開発業務を在宅環境で行うことができました。
乳酸菌飲料の測定に適用したところ、トップノートからベースノートまでの幅広い成分を検出することができ、網羅的な検出をすることが可能となりました。
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