分離とは、サンプル中の各成分と、カラム内膜にコーティンクされている液相の相互作用により混合物が各成分に分かれることです。下記図では、赤色の成分が成分-液相間において、相互作用をまったく示さないため、1番早く検出されます。2番目に検出されるのは、成分-液相間、液相-成分間への相互作用が同程度の黄色の成分です。最後まで、カラムに残っているのは、成分-液相間で大きな相互作用を持つ青色の成分です。

カラム
GCで使用されるカラムには、パックドカラムとキャピラリカラムの2種類があります。最近ではキャピラリカラムが一般的ですが、アプリケーションに応じて使い分けが必要です。
キャピラリカラム
フューズドシリカチューブの内壁に液相(固定相)が塗布されています。サンプルはこの液相との相互作用(分配又は吸着)を利用して分離されます。


メリット
- 充填剤が無く、内径が細いためサンプルの拡散が少なく、シャープなピークが得られ分離、定量性が良い。
- 内径が細いため、カラム内での温度分布が無くシャープなピークが得られる。
- 不活性化したフューズドシリカチューブを用いているので、サンプルの吸着が少ない。
- 柔軟性に富み、取扱いが容易。
デメリット
- 液相量が少ないため、サンプル導入量が多いと過負荷となり、うまく分離が出来ない。
- 液相の種類が、パックドカラムに比べ少ない。
パックドカラム
液相をコーティングした担体(クロモソルブ等)をガラス又はステンレス管内に充填したカラムです。

メリット
- 液相量が多いので、サンプル負荷量が大きい。
- 充填剤・液相の種類が多く、サンプルによって最適な選択をすることが出来る。
デメリット
- 充填剤が充填されているため、圧力損失が大きくカラムを長くできない。
- 充填剤の間をサンプルが通過することで、多流路拡散がありピークがブロードになる
- 内径が太いため、ピークがブロードになる。
- カラムのコンディショニングの際に時間がかかる。