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クロマトグラフィーとは?

なぜ分離が必要?

「化学」とは、物質を構成している原子や分子に注目し、物質の成分組成・構造、その生成と分解の反応および他物質との間に起こす反応を研究することです。 そして、純粋な物質から物質固有の性質を調べることが大切です。

しかし身のまわりに存在するほとんどのものは混合物であり、純粋な単一の化合物として天然に存在するものは非常に希なため、そのままでは調べられません。

そのため、調べたい目的物質を混合物から分離する必要があるのです。

クロマトグラフィー 分離分析の方法を総称して、クロマトグラフィー(Chromatography)といい ます。
クロマトグラフ クロマトグラフ(Chromatograph)とは、化学的・物理的な性質や相互作用を 利用して物質を分離させる装置です。
クロマトグラム クロマトグラフを用いてクロマトグラフィーの結果を記録した物をクロマトグラム (Chromatogram)といいます。
クロマトグラムの横軸は”時間”、縦軸は”濃度”あらわします。

クロマトグラフィーの歴史

1906 年にロシアの植物学者 Tswett が植物色素を分離させる方法を発見しました。

抽出した色素を、立てたカラム(ガラス管の中に炭酸カルシウムを詰めたもの)の上に置き、上から石油エーテルを流したところ、色の異なる吸着帯として分離されました。このことから”色の記録”という意味で、ギリシャ語のChroma(色)とGraphos(記録)より Chromatography(クロマトグラフィー)と呼ばれるようになりました。

クロマトグラフィーの仕組み

クロマトグラフィーは、固定相(Stationary phase)と移動相(Mobile phase)と呼ばれる二つの相が平衡状態にあり、そこを試料が移動します。試料は移動相に乗って流れていきますが、試料中の各成分がこの二つの相とそれぞれ相互作用し、このときに起こる相互作用の差に応じてそれぞれの成分が分離します。

クロマトグラフィーの種類と分類

移動相と固定相との種類と組み合わせにより分離されるものとして、ガスクロマトグラフィー(Gas Chromatography)と液体クロマトグラフィー(Liquid Chromatography)があります。

固定相が液体であるのか固体であるのかなどによってさらに細かく次のように分類されます。

移動相による分類

ガスクロマトグラフィー
(移動相は気体)
Gas / Liquid chromatography(GLC)・・・固定相は液体
Gas / Solid chromatography(GSC)・・・固定相は固体
液体クロマトグラフィー
(移動相は液体)
Liquid / Liquid chromatography(LLC)・・・固定相は液体
Liquid / Solid chromatography(LSC)・・・固定相は固体

固定相支持体による分類

カラムクロマトグラフィー
(Column chromatography)
固定相をカラム(管状容器)に充填して用いる方法。
大量の試料を扱えるため、主に化合物の分離・精製や前処理に使われます。
薄層クロマトグラフィー
(Thin layer chromatography:TLC)
固定相を平面板上に塗布して用いる方法。シリカゲルなどの吸着剤の粉末をガラス板に塗りつけて乾かしたものを用い、端を溶媒に浸すと溶媒が表面を進んでいく。このとき試料とシリカゲルとの吸着度合いに応じて、徐々に分離していく。

分離手法による分類、様々なクロマトグラフィー

サイズ排除クロマトグラフィー
(Size Exuclusion chromatography:SEC)
ふるいの原理で、分子の大きさにより分けていく。広義ではGPCとも同じ意味です。
ゲル浸透クロマトグラフィー
(Gel permiation chromatography:GPC)
移動相(溶離液)に有機溶媒を用いるため、有機系GPCと呼ばれています。
ゲル濾過クロマトグラフィー
(Gel filtration chromatography:GFC)
移動相(溶離液)に水溶液を用いるため、水系GPCと呼ばれています。
分配クロマトグラフィー
(Partition chromatography)
移動相には液体、固定相には液相(固体表面を液膜で覆ったもの)が用いられます。二つの液相に対する試料成分の分配係数の差を利用して分離します。
吸着クロマトグラフィー
(Adsorption chromatography)
移動相に液体(有機溶媒)、固定相には吸着機能を持った固体(吸着剤)が用いられます。脱着、吸着の差を利用して分離します。通常は、非イオン性の有機化合物の分離に利用されます。
イオン交換クロマトグラフィー
(Ion exchange chromatography)
イオン交換樹脂を固定相として用います。イオンに電離する物質をイオン交換体に対する正殿的な吸着力の差を利用して相互に分離させます。

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